太陽光発電システムのメンテナンスについて2010.11.10
お客様から、「設置後のメンテナンスは必要なんですか?」とよく聞かれますので、今回は太陽光発電システムを設置した後に、どのようなメンテナンスが必要で、どのようなトラブルが考えられるか?について、お話したいと思います。
1ヶ月点検(電圧上昇履歴確認)
太陽光発電システムは、太陽電池モジュール、架台、パワーコンディショナー、モニター、分電盤、売電メーター、これらを繋ぐケーブル等で構成されています。
これらの太陽光発電システムの工事を完了しましたら、稼働前に点検を行い、異常が無いかを確認して、実際に稼働させ、電力会社の立会のもとで連系を行い、お引き渡しとなります。
弊社では、システム引き渡し後、1ヶ月点検、1年点検を無料で行わせて頂いております。
太陽光発電システムは、通常メンテナンスフリーと言われています。お客様が、ご利用される場合に、機械の点検も必要ございませんし、発電や売電も全自動で行われ、停電時には、勝手に停止・復旧も致します。
ただ、機械ですので、まれに不良品もありますし、稼働後に何らかのトラブルが発生することもございます。
従いまして、毎日の発電状況を確認して頂いて、何らかの異常があった場合には、すぐにご連絡を頂くようにお願い致しております。
初期不良については、システムが稼働してまもなく判明することが多いので、お客様からの連絡による随時点検もしくは1ヶ月点検で、対応しております。
1ヶ月点検では、発電状況の確認、各種エラーメッセージの有無、電圧上昇履歴のチェックを行います。
稼働後の発電状況をチェックし、予測発電量と照らし合わせることで、システムが正常に稼働しているかどうかの確認を行います。
シャープの多結晶太陽電池は、通常6枚から13枚を直列に接続し、これを1系統として、パワーコンディショナーに2~4系統程度、入力されています。
どこかに異常が生じている場合は、1系統がダメになっている場合が多いので、発電量の実績をチェックし、明らかに発電量が少ないと思われる場合は、調査を行い、異常箇所を特定します。
また、パワーコンディショナーの異常があった場合には、モニターにエラーメッセージが記録されていますので、これをもとに原因を調査いたします。
調査の結果、パワーコンディショナーに欠陥があることが判明した場合は、保証の対象になりますので、無償で交換・修理をさせて頂くことになります。
更に、電圧上昇履歴のチェックもさせて頂きます。通常、ご自宅の太陽光発電システムの電圧値は、連携時の電力会社との協議によって、電圧の上限値を指定の数値に設定してあります。
電気は、水と同じく、電圧の高い方から低い方に流れる性質がありますが、ご自宅で使い切れなかった電気が、電線を伝って電力系統に流れ込むように、自動的に少しだけ高い電圧にしていて、その上限値を設定してあるのです。
電力系統の電圧は、周りの電力の使用状況に応じて変動していますが、仮に電力系統の電圧が設定した数値以上に上がった場合は、電気が流れなくなり、売電できなくなります。
この履歴が、モニターに残っていますので、頻繁に設定した電圧の上限値を越える場合には、電力会社に報告し、可能な場合は、設定電圧を上げる手続きを取らせて頂きます。
1年点検では、太陽電池モジュール、太陽電池架台、ケーブル、パワーコンディショナー、連系保護装置、計測装置、表示装置について、目視及びテスター等の計測器を使用した検査を行います。また、1ヶ月点検と同様に発電状況の確認、各種エラーメッセージの有無、電圧上昇履歴のチェックも行います。
点検の結果、何らかの異常が見つかった場合は、調査を行って原因を特定し、ご報告いたします。
修理・交換が必要な場合で、10年保証の対象である場合には、全ての申請手続・修理等を無料にて、行わせて頂きます。
残念ながら、保証の対象外と判明した場合には、有償でのご対応となります。