事業仕訳の結果・・・20%程度削減(平成23年度の住宅用太陽光発電補助金)2010.10.30
昨日、平成23年度の住宅用太陽光発電補助金の概算要求に対して、事業仕訳が行われ、20%程度削減という仕訳け判定結果となりました。
最新の補助金情報はこちら→弊社HP【平成23年度補正予算(住宅用太陽光発電補助金の今後の見通し)について】
あくまで、予測となりますが、来年度の補助金は【1kW当たり6万円、システム単価の上限60万円】(←弊社ブログ)もしくは、【1Kw当たり5万円】になるかもしれません。
新聞でも報道があったようですが、
電力買取制度の推進、システム価格の低下、地方公共団体による補助の拡充を総合勘案し、20%を目処として、予算要求の圧縮を図る。その際、将来的に完全な全量買取制度の視点へと集中させていく「出口戦略」を明確化する。←行政刷新会議HP 事業仕訳け第3弾
以上が、結果概要となります。
仕訳人:「制度が複雑、固定価格買取制度で十分だ。」
役人:「今は両方必要です。しかし、将来的には補助金は無くします。」
といったところでしょうか。
ここで、完全な全量買取制度の視点へ・・・出口戦略、で違和感を感じます。
民主党がマニュフェストに掲げた【再生可能エネルギーの全量買取】については、プロジェクトチームが組まれ、有識者と業界、国民の意見を反映した形での大枠が発表されています。
この中では、一般住宅等の小規模な太陽光発電については、現行の余剰電力買取制度を継続し、買取期間についても、今まで通り10年とすべき、という意見でした。
私が感じたのは、
住宅用についての結果概要に、全量買取・・・といった表現があったので、先ほどの大枠を踏まえているのだろうか?と言うことです。今から、政治主導で住宅用を全量買取にひっくり返すのでしょうか?
さて、以前にもご紹介致しましたが、担当部局の概算要求の根拠となっているのは、【①1KW当たり6万円の補助金】×【②来年度の申請件数】+【③事務経費】です。
①は、昨年の7万円→来年の6万円と将来的に補助金をなくす方向付けがなされています。今年度のシステム単価を考慮した、根拠のある数値でしょうから、安易に下げることはあって欲しくないですね。
②は補助件数は今年度の実績ベースです。2020年に800万件という目標があるのですから、件数を制限することは、考えられないと思います。まあ、補正予算という逃げ道はありますが・・・不確定です。
③今年からで事務経費も包括したことで、実績に基づいた費用です。
申請件数を下げて、当初予算を少し削って、補正予算でカバーする・・・これで、6万円。うーん、5万円に下がるかもしれません。
この補助金は、普及に伴い価格が下がるとしても、その普及を促進するためのブースターという役割、価格下落による各年度での導入世帯の費用負担の公平性を担保する役割、さらに補助金対象のシステムに上限価格を設けることによって、半ば強制的に市場価格を下げるように誘導する役割があると思います。
事業仕分けの中で、
「市場競争で価格下落は見えているならわざわざ補助不要。さらに価格下落を補助金が邪魔しているとも考えられる。」
といった発言がありましたが、現状を把握していないと思います。
私たちの感覚では、市場はまだ普及段階に入ってはいないと思いますので、補助金は当面必要だと思います。